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電波的な彼女 紅と繋がる世界 [小説・ラノベ]

今回の「わたし、気になります!」はこちら! 【電波的な彼女】!!

2004年9月に集英社のスーパーダッシュ文庫から刊行された片山憲太郎氏著のサスペンス小説です。
片山憲太郎氏というと「紅」というイメージの方が強い方もいると思いますが、実はこの「電波的な彼女」、「紅」と作品の世界設定や登場人物の繋がりが一部あるんです。
例えば「電波的な彼女」の主人公・柔沢ジュウの母親である柔沢紅香は、「紅」の世界ではトップクラスの揉め事処理屋として登場し、主人公である紅真九郎にヒロインの九鳳院紫を預けるなど、物語に大きく関わってきます。
また、「紅」に登場する裏十三家の堕花・斬島・円堂は、関連性は不明ではあるものの同じ名字の者が「電波的な彼女」のメインヒロインとその親友という形で登場し、主要人物として活躍を見せます。
どちらも一作で十分楽しめますが、両方読むとなお楽しめる作品なんですね、これが。


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あらすじ:
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不良少年の柔沢ジュウは、堕花雨と名乗る少女にある日突然に忠誠を誓われる。少女の奇怪な言動に振り回されながらも、その真摯な言動にしだいに存在を受け入れて行く。 しかし、巷を騒がせる連続殺人事件にクラスメイトが犠牲になってしまい、ジュウは雨に不信感を抱くようになるが、思わぬ事態が待ち構えていた。
                                              Wikipediaより引用
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電波的な彼女 (集英社スーパーダッシュ文庫)

電波的な彼女 (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 片山 憲太郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 文庫


主人公の柔沢ジュウは普通の青年なんです。少しひねくれてはいるが性根は真面目で誠実。髪を金髪に染め不良を演じ、自堕落に生きる一匹狼。
よくある自称普通の一般人を語る主人公たちとは違い、特殊な力もなければその出生に秘密があるわけでもなく、不良になりきれないがさつな青年。腕っ節は強いがそれも常識的な範囲であり、喧嘩っ早い不良というのが周りの彼に対する評価です。
そんなジュウの下に突然現れ忠誠を誓った少女・堕花雨。半ばストーカー染みた言動でジュウに付きまとう彼女は異常なのだろうか? と、連続殺人が続いていく内にジュウは雨に不信感を抱くようになるんですが、注目するべき点は犯人は誰か? 話しの展開はどうかという部分よりも、登場人物の心情にあると私は思いました。
孤独や不安、疑心というものが丁寧に書き分けられており、人の心に住み着く狂気や歪みが作品に味をだしています。
また登場人物も良い意味で現実味を持った個性の持ち主たち(中には例外も……)なので、重たい内容であるにもかかわらず私は読んでて疲れませんでした。
重たい内容という点では、この後続く「電波的な彼女 ~愚か者の選択~ 」や「電波的な彼女 ~幸福ゲーム~」にしてもそうですが、この作品のテーマというのは現代社会に対してのアンチテーゼではないかと私は思います。
子を持つ親への、学校ひいては過激になっていく子供社会への、大きなくくりでは犯罪件数が増加の一途を辿る日本の現状を作り出してしまった世代とそれに無関心な現代人に対しての……。


なんて、それっぽいことを書いてしまいましたが、要するに話しは面白くてなおかつ考えさせられることがある素晴らしい作品なので是非一読して頂ければということです。

ちなみにイラストを担当している山本ヤマト氏で、氏はコミカライズ作品『紅 kure-nai』を『ジャンプスクエア』に連載していました。今は終わりのセラフを描かれていますが、またいつか山本ヤマト氏の描かれた雨たちを見たいものです。片山センセ-、続刊待ってますよ-!

それともう一つ。「電波的な彼女」実はアニメ化されているんです。OVAではありますが「電波的な彼女」と「電波的な彼女 ~幸福ゲーム~」の二作がジャンプ・コミックス『紅 kure-nai』の付属アニメとして映像化されています。
第一弾の「電波的な彼女」は『紅 kure-nai』第3巻のアニメDVD付き予約限定版に、第二弾の「電波的な彼女 ~幸福ゲーム~」は第4巻アニメDVD付き予約限定版に。
ここであれ? 二作目の「電波的な彼女~愚か者の選択~」は? と思われた方もいるかと思いますが、恐らくこれは内容的な問題で映像化できなかったのだと思います。三作の中で一番重い話しで後味も良くないですからねぇ。
気になる方は是非、読んでみて下さいね!


ということで今回は「電波的な彼女」についてのお話となりますが、基本的にこのブログ、物語の進行に関わるネタバレを極力避けて書いていますので、全然内容がないぞ! と思ってもそこは大目に見て下さいね!(文才がないだけとは重いたくない……)
では今回はこの辺で、また!



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